ご挨拶
日本のインフラ整備は、「事後的保全から予防的保全」へ変化しています。 特に高度成長期に建設された橋梁は今後10年間でその多くが耐用年数を迎え、 利用の危険が増すことが予想される為、保守や、調査点検のニーズが高まることは必須です。 近年、予防的保全は、資産管理の考え方である「アセットマネジメント」が多く取り入れられています。 アセットマネジメントとは、資産をリスクや収益性を考慮し、適切に運用することで資産価値を最大化する資産管理の考え方です。
この考え方を橋梁に取り入れたのが、私たちが提唱している「橋梁アセットマネジメント」です。 橋梁を国民から預かっている重要な資産として認識し、限られた予算の中で計画的かつ効率的に 事業執行することを基本理念としています。その上で、適切な費用での維持管理を実施すると共に、 その機能を維持向上させ、国民に最大の効用を提供する事ということを念頭に入れ日々活動しています。
現在の橋梁調査法は、足場仮設及び高所作業車による橋梁調査法が主となる調査方法です。 しかし、日本の橋梁は、足場仮設や高所作業車の進入が出来ない箇所も多く、 安全を確立できていない橋梁も多いことが問題とされています。 橋梁は島国である日本を支える重要な社会インフラであり、橋梁を利用する全ての人に安心と安全を提供する必要があります。
クライミング技術を利用した調査方法は、既存の調査方法に比べ、低コストで機動力に富む為、 多くの調査を行うことが可能です。限られた予算を効果的に配分するには低コストであることと、 正確な調査力が必要不可欠であり、この調査方法はその2つを十分に担保出来る新しい調査方法です。
私は、この技術が日本全国に普及する事で、橋梁の効果的な予防的保全が進み、 安心して生活することのできる日本を創ることができると思っています。